生後3ヶ月で車に轢かれて亡くなってしまった黒猫のまめは、チロの日記の看板猫として立派に仕事を果たし、この世を去った。会社の車の下で涼んでいる時の出来事だった。レントゲンでは右足大腿骨骨折で、3週間は安静にして自然治癒で大丈夫との診断を受けた。安静にしていたのに、痛さに耐えたのに、土曜日には左足のむくみとオシッコが出ない。まぶたが開けたまま瞬きしない。右に左にと寝返りを打ち出した。夜から朝にかけては息苦しさが伝わるような呼吸と、もがくように何度も上半身を起こしての深呼吸を繰り返した。寝る前に、すがる思いで服用させた漢方の利尿剤は人間の10分の1を飲ませると、一晩で沢山オシッコは出た。足のむくみは引いたが、朝になってもお盆休みも重なって病院の応答も得られず、急に息を引き取った。1週間の闘病だった。
最後は大きく連続して3回息を吸い、止まった。社長の胸の中で静かに眼を閉じた。
平成27年8月16日8時29分没
同日、社葬が執り行われた。